公園のベンチに座っていたら、
長~いリードをつけた犬がふせの格好で座っていて、
少し離れたところにいるおばあちゃんが、
それを見守っているのが見えた。
ふたりのようすがかわいかったので、
「日向ぼっこですか?」と近づいていったら、
おばあちゃんが「こんにちは!」と言い、
犬がトコトコトコと近づいて来た。
おばあちゃんはびっくりして、
「この犬、保護犬で、人に近づくことなんてないのよ」と言った。
柴犬風の雑種犬で、名前はマル。
今13歳で、8年前に保護施設からもらわれてきたそう。
無邪気な子ども時代がなかったのか、
おじいちゃんなのに子犬みたいに遊ぶのが好きなこと。
傘を見ると震えてすごく怖がるから、
たぶん傘で叩かれていたんじゃないかってこと。
迷子犬で、保護施設でも、
すごく難しい子だと言われたこと
(もらい手のつかない残った一頭だった)。
最初はいつもふせの姿勢で、
いつでも逃げ出せるように、緊張しながら座っていたこと。
なんかを話してくれた。
少し離れたところに座っていたマルは、
わたしたちが話していると、
ぴこぴこっと耳が動いて、
話しを聞いているのがわかった。
「でも家に来た頃は、人が話していても、
ぜんぜん耳を動かさなかったのよ」と聞いて、
そんな犬がいるのか!と、
今度はわたしがびっくりした。
よほど心を閉ざしていたんだなー。
ゆっくりとそっと撫でようとすると、緊張が走り、体を引いた。
おばあちゃんはとても優しい話し方をする人だった。
マルで保護犬は三頭目。
「成犬ばかりだったから、子犬も飼ってみたかったわ~。
でもこの年じゃ無理ね」と、笑っていた。
公園の向こう側に他の犬がやって来た。
それを見たマルが歩き出したので、
わたしたちもそれに着いて歩く。
リードが長~いので(5mはあった気がする)、
マルは自由にトットットッと歩いて行く。
「楽しいね!」という顔をして、ときどき振り返る。
お散歩しているときの、犬のこの顔が好き。
おばあちゃんとマルと話しながら、
しばらくお散歩して、
そろそろ帰ろうというところで、
さよならのあいさつをした。
おばあちゃんが撫でてあげていたら、
とても気持ちよさそうだったので、
今ならいいかな?と、
そ~っと撫でてみた。
マルは緊張しながらも、撫でさせてくれた。
おばあちゃんはとても喜んで、
「そうそう、そうやってみんなにもかわいがってもらうのよ~」
と、マルに言っていた。
そして別れ際に、何度も、
「ありがとうね」と、お礼を言ってくれた。
こちらこそ、ありがとう!な気持ちで、胸がいっぱいだった。
たぶんマルにとって、
8年目にしてはじめて触られた、
見知らぬ他人なんじゃないかな。
おばあちゃん以外にも怖くない人がいるんだな。
そんな風に思う、きっかけになったらいいな~。
なーんて思いながら、歩いて帰ったのでした。
まーる。
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