どこでもドア


フランスのエコビレッジで、
3ヶ月働いていたことがある。
そこは夏にはバカンス客でいっぱいだけれども、
秋にはもうオフシーズンなので、
客室が空いていて、
そこを自分の部屋として使わせてくれていた。

ベッドがあるだけのちいさな部屋だけど、
そのちいささと、
ほんとに今使ってるものしかない、
シンプルさが心地よくて。

遊びに来た友だちが、
「cozy!」と言ったとき、
それそれ!と思った。
拾ってきた枝や花や石で飾るのも、好きだった。

(6年前だけど、服が今といっしょだ!)

帰ってきて、
同じような暮らしがしたいな、と思って、
シャロムヒュッテで働いた。
縁あって二度目に働く機会が訪れ、
その夏は、
へんてこりんな、
チャーミングな人たちが集まっていて、
(社会にすんなり馴染むには、
おもしろさがはみ出ちゃうタイプ)
やたらと笑って泣いた夏だった。

そのときいっしょに働いてた友だちと、
一年ぶりに再会した。
新婚さんのふたりのお家は、
車に乗った、動く家。

教えてもらった場所に着くと、
ちょっとずつ作ってた、
あのお家があった。


できあがった姿に、ドキドキする。
町中にあると、
思ったより小さく見えたけれど、
コンコンとノックして、
「こんにちは〜」と扉を開けると、
中には、ぐわっ!と別の空間が広がってて。

おもしろくて、
つい扉を閉じて、
もう一度開いてみちゃった。

確認。

扉一枚で、世界が変わる。
そして家が動くと、
外の景色が変わる。
「ドア側が動く、どこでもドアだね!」と笑う。

前に、いろんな景色の中で、

撮っていた写真が頭に浮かんだ。



その頃はまだ結婚前で、
ここが家族の家になるなんて、
思ってなかったけれど。
人生は予測不能なびっくり箱。

いろんな風景の中にいる、
お家と自分。
なのに、旅好きってわけじゃない、
ふたり。
そうそうこれは、
旅というより、暮らしだね。

シンプルなその空間は、

なるべくなにもつけず、

必要になったら足すようにしていて。
シンプルゆえに、多様性があって、
かつての日本のお家と同じ、
しなやかさがあった。


広すぎず、
狭すぎず、
巣のようで。

自分の体の延長って感じが強くて、
ヤドカリみたいだなって。

ご招待された、
サバイバルクッキング。
干しエノキのアヒージョが、
おいしーーーい!


ソーラーで玄米も炊けるし、

シャトルシェフも活用して。

おいしいご飯を日々、

ゆったり作って食べてるのが感じられる。


エコビレッジでも、

シンプルな暮らしゆえに、

食事は日々のエンターテイメントになっていた。

「今日の夕飯なにかな?」というのが、

よくある会話で。

作っていると、

みんなが覗きに来て、

おしゃべりして、

つまみ食いして、去っていく。

その台所の感じが好きだった。


明る過ぎない灯りもソーラーで2w。

板張りに柿渋で仕上げた床は、

裸足に気持ちいい。

ヨガマットの上に座れば、

クッション性もバッチリ。


部屋はあたたかで、
天窓があり、
壁には額のように大きな窓がある。

部屋の奥には、
ロフトみたいな空間があって、
そこがまた、
ちいさくて、暗くて、

なんだかとても落ち着く。

安心してよく眠れそう。


あっという間に時間が過ぎて、
帰るときには、
扉を開けたくない自分がいた。
心地いい空間、なんだなー!

勇気を振り絞って扉を開くと、
やっぱり別の世界があって。
夢の国から出てきた、
みたいな感じがした。

生まれ出たばかりの、
子鹿の気持ち。
なんだかわかんない、
怖くて不安に震える心が、
ふとわかったような気がした。
生まれたばかりの赤ちゃんや、
野生の動物たちの。

cozy cozy cozy!!!

今度またゆっくり、
味わいたい。
お家のカタチをした、
ちいさな宇宙。


写真はしうんくんのをだいぶ借りたよ。

ありがとう!

ふたりは「荷台夫婦」として活動中~

https://note.mu/live_different

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