めぐるひとつぶ

冬がきて、春がくる。

四季の輪のなかでぐるぐる巡る、

流れの中の、

ひとつぶ。


浮いたり、沈んだり、

止まったり、飛ばされたり。

ただただ流れてゆく、

自然のリズムに身を任せ、

たゆたうことができたとき、

どこか安心する。


毎日がほんの少しずつ違って、

気づけばすっかり変わっているのに、

また巡ってきては繰り返す、

四季というリズム。


昨年の秋くらいから、

漆屋農場に通うようになって。

小田原へ40kmほどの距離なのに、

わたしの住むところより、

暮らしと山が近くて、

開発がゆっくりで、

どこか懐かしい感じがする。


その日の作業の相手は、

玉ねぎだったり、みかんだったり、

梅の木だったり、切干大根だったり。

今週は剪定した枝を燃やして、

ごうごうと燃える火を堪能させてもらった。


植物とのやり取りもおもしろいけれど、

火とのやり取りも、ほんとうにおもしろい。

風の向きと、火の動きと大きさと。

全身で感じながら、次々とくべていく。


火が大きくて、熱すぎて近づけないから、

真ん中に落ちるように、遠くから木を投げ込む。

小枝のついた木は自然のカタチのままだから、

うまい具合に風が通って、火があがり、

あっという間に燃えていく。


小山くらいあった木々が、

数時間で真っ白な灰になって、

小さくなった。

そういうのを見続けていると、

感情を越えた部分にある、

自然の摂理に少しだけ触れたように、

そうだよな~、と、

言葉にし切れないものを納得してしまう。


わたしのちいさな畑ではできないことが、

ここに行くと自然と叶えられていく。

果樹とのつき合いだったり、

農のある暮らしだったり、

規格外でおもしろい人たちとの交流だったり。

ありがたい。


ちいさな畑と言えば、

去年出会った、

「畑仕事の十二カ月」という本。

農事暦や農書をもとに書かれた、

おバカなわたしにもわかりやすい本で。

めぐる四季とともに畑仕事をしていく、

感性と時期の目安などが書かれている。

今年はそれを読みながら、

ひと月ひと月、畑仕事をしてみたいな、と。


すべては変わりゆく気がするけれど、

日本の繊細で複雑で美しい、

あの四季があるかぎり、

季節の移り変わりを感じる心は、

続いていくような気がする。


そういえば来週は、

広田千悦子さんの、季節のしつらい教室。

偶然、桶やさんで知り合って、

季節の祈りを、

わたしも感じてみたくなったのでした。

◎花と暦

https://www.daiichi-engei.co.jp/ec/CSfDaiDocViewPage_001.jsp?DOC_NO=HNAKOYOMI_001


母から譲り受けて、

眠ってしまっている着物たち。

それとともに、

祈りを味わう時間が、

ちょっぴりでも持てたら、

なんか素敵だよなー。


インドで教えてもらった、

祈りのある暮らし。

日本では、

自然と四季のひとつぶになって、

自分の中で根付かせたいな。

なーんて。

妄想も、めぐる。

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