雨の音


雨の日に聴きたくなる曲、
サティのジムノペティ。
それもこの演奏家の、
ごくごくゆっくりなバージョン。

雨の音とともに、
この音が流れているのが好きで。
いっしょに暮らしていた猫も、
この曲が好きだった。

この曲をかけていると、
満足げに眠りながらも、
曲に合わせて、
しっぽの先が、
パタリパタリと動いていた。
ちなみに嫌いな曲だと、
ふらりと部屋を
出て行ってしまう。

もう年老いて亡くなったけれど、
雨の日にこの曲を聴くと、
何度も見た同じ光景が、
同じように
ありありと浮かんでくる。
それがなかなか、
悪くないのだ。

愛しいものと会えなくても、
悲しいって感じじゃなくて。
想い出とともに生きるって、
けっこういいな。
中年になって、
そう思うようになった気がする。

あ、
雨があがった。

もう寝よう。

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